電気自動車にとって切り離せない課題に充電があります。
外出先では充電スタンドの利用が便利と聞いたことがあっても、充電スタンドはどこに設置されてあり、どのように使用すればよいのが分からない人も多いでしょう。
また、自宅充電との維持費の違いが気になる人もいると思いますので、今回は電気自動車の充電スタンドについて調べてみました。
外出先で電気自動車にとって必要不可欠な充電スタンドとは
電気自動車で外出をすると充電が必要になることがあるでしょう。
普段は自宅で電気自動車の充電をしている人でも、長距離のドライブなどの場合には、外出先で充電をしなければなりません。
また、マンションなどの場合には自宅で電気自動車を充電するのが難しいといえます。
そこで便利なのが充電スタンドです。ここからは、電気自動車の充電スタンドについて詳しく紹介しましょう。
どんな場所や施設で利用できる?
電気自動車の充電ができる充電スタンドは、日本全国の高速道路のサービスエリアやパーキングエリア、イオンなどの大型店の駐車場に設置されていることが多いでしょう。
また、市役所などの公共の施設に充電スタンドの設備があることもめずらしくなく、飛行場などで充電スタンドを見かけることもあります。
そのほか、日常的に利用することの多いコンビニにも充電スタンドの設備が増え、手軽に充電が可能です。
充電スタンドにはEV充電器と呼ばれる設備があり、電気自動車だけでなくプラグインハイブリッドカー(PHV)の充電もできます。
これまでは無料で充電が可能でしたが、電気自動車の普及に伴い、充電スタンドの利用には料金が発生するので注意が必要です。
充電スタンドの利用方法
電気自動車の充電ができる充電スタンドを見つけると、充電器が置かれているスペースに車を駐車しましょう。
車内から充電口の外ぶたを開けるボタンを押し、その後、車から降りて手で充電口の内ぶたを開けます。
そこに、充電スタンドに設置されている充電ガンを取り付けましょう。
もし、充電器に電気プラグが接続されていないのであれば、先にプラグをさしてから、充電ガンを取り付けなければなりません。
取り付けが終わると、充電器本体の指示に従い、支払方法などを選択します。その後、利用開始の動作を行うのです。
充電が開始されると、一度電気自動車の車内に戻り、充電ランプが点灯していることを確認しておくのが良いでしょう。
ランプが点灯していない場合には、充電が行われていませんので、充電ガンをつけ直す必要があります。
充電時間が終了すると点灯していたランプが消灯しますので、充電ガンを電気自動車から取り外し、元の場所に戻しましょう。充電口の内ぶたと外ぶたをしっかり閉めると充電は完了です。
電気自動車の充電スタンドの種類は?コンセントタイプの注意点
電気自動車の充電スタンドの種類は大きく分けると3つあります。
コンセントタイプには注意すべき点もありますので、知っておくのが良いでしょう。
普通充電器ケーブル有り(200V)
野外に設置されている充電スタンドの多くは200vの電圧です。
100vのものもありますが、100vの場合には電気自動車を充電するのに時間がかかりすぎてしまうデメリットがあります。
一般的な家庭に設置する充電器は、夜間など車を使用しないときに充電することが多いため、100vでも問題はありません。
しかし、公共の場での充電には早さを求める人が多いことから、200vに設定されています。
ケーブルが用意されている普通充電器は、充電ケーブルを電気自動車にさすと充電が可能です。
ケーブル有りの場合には、どんな電気自動車でも対応できますので、公共の場では重宝されています。
約4時間の充電で80kmの航続距離が得られるのが特徴です。
普通充電器コンセントタイプ(200V)
充電スタンドに設置されている普通充電器にはコンセントタイプもあるでしょう。
ケーブルのないコンセントタイプの充電器は、コンセントの形状によって対応できる電気自動車の車種が異なるため、注意が必要です。
従来型コンセントタイプと新型コンセントタイプの2つの規格があり、従来型コンセントタイプではプラグインテスラ、三菱自動車のi-MiEVといった電気自動車が充電できます。
一方の新型コンセントタイプでも三菱自動車のi-MiEVの充電ができますが、日産リーフの充電ができるのはこのタイプです。
従来型のコンセントは引掛型であるのに対し、新型のコンセントは平刃型ですので、見るとその違いは分かりやすいでしょう。
ただし、所有している電気自動車に合うコンセントの形状をしっかりと覚えておく必要があります。
いずれのタイプも、電気自動車を約8時間充電したときに得られる航続距離は80kmです。
急速充電器(50kW)
普通充電器よりも充電にかかる時間が短いのが急速充電器です。
急速充電器は50kWのため、より多くの電気を流すことが可能です。
15分の充電でも80kmの航続距離が得られることから、急ぎの場合には急速充電器が重宝するといえるでしょう。
急速充電器は高速道路のサービスエリアなどに多くみられます。
他の自動車メーカーの設備は利用できる?
電気自動車に力を入れる日産では、全国のディーラーに充電スポットを設置しています。
また、プラグインハイブリッドを強みにしているトヨタでも、2018年の1月時点で全国3381カ所の店舗に充電器が設置されているのです。
日産やトヨタの電気自動車やプラグインハイブリッドを所有している場合には、それぞれのディーラーで充電が可能なため、非常に便利だといえるでしょう。
しかし、日産やトヨタの電気自動車を所有していない場合でも、ディーラーに設置されている充電スタンドは利用が可能です。
利用には日産やトヨタなど、メーカーの認証カードを作成する必要があります。
しかし、メーカーの充電スタンドは公共のインフラ設備という役割も担っているため、メーカ―を気にせずに利用できるのです。
日産やトヨタの充電スタンドは、インターネット上の地図からでも簡単に検索が可能で、グーグルマップやアプリなどの使用でも見つけられるでしょう。
利用料金はいくら?
公共の充電スタンドを利用するときには、値段が気になるという人も多いようです。
家庭では比較的安い費用で充電できますが、充電スタンドの利用料金はいくらになるのでしょうか。
自動車メーカーのプラン申し込みのほうがお得?
日本にある電気自動車の充電スタンドの多くは、日本充電サービス(NCS)のネットワークでつながっています。
充電認証サービスもNCSと提携していることが多く、NCSのカードを持っていればほとんどの充電スタンドの利用が可能でしょう。
NCSカードの料金はカードの種類によって料金が異なります。
また、月会費と充電の度にかかる利用料、登録手数料も必要です。
例を挙げると、NCSの急速充電用の月会費は3,000円、急速充電器を利用するのにその都度15円/分がかかります。
電気自動車の充電には自動車メーカーのプランへと申込む方法もあるでしょう。
日産では、ゼロ・エミッションサポートプログラムと称して、日産のディーラーの急速充電器と、NCSの急速充電器を充電し放題にするプランを設けているのです。
会費は1カ月2,000円(税別)ですので、NCS単体のカードを持つよりもお得だといえます。
自宅充電設備とどっちが維持費は安いか
電気自動車の購入にあたり、自宅や会社に充電設備の設置を考えることもあるでしょう。
自宅などに設置できる充電器はパナソニックなどから販売されていますので手軽に設置が可能ですが、自宅に200ボルトの普通充電器を設置する場合、工事費なども含めると10万円程度が相場で発生します。
マンションや事務所などに設置する際には補助金が用意されていますが、個人宅への設置には補助金がありません。
気になる電気代ですが、自宅で電気自動車を充電するときには1kmの走行につき3.2円がかかります。
電気料金プランによっては夜間の電気代が抑えられますので、安い時間帯であれば1kmの走行で2.2円も可能でしょう。
外出先で急速充電を行うと1kmの走行当たり1.92円と安くなります。
しかしながら、充電スタンドの利用には月3000円程度の月会費がかかることから、結果的に維持費が高くなる可能性もあるでしょう。
その点、自宅に充電設備を設けると、3年程度で設置料金を取り戻せるといわれているため、長い目で見ると充電スタンドよりも維持費が安くなることに。
しかしながら、長距離ドライブの場合には充電スタンドの利用も必要となります。
どのように電気自動車を利用することが多いのかを考え、充電スタンドと自宅充電設備を上手に使い分けることも大切です。