日本だけでなく世界中で利用されているトヨタ車ですが、人気の車種も多くなかなか車に詳しくない方でも知っている車種も多いのではないでしょうか。
これまでも数多くの人気車種を輩出してきたトヨタは自動車業界を牽引してきた代表するメーカーとも言えますが、昨今変革の時代へと移行してきています。
自動車業界で言えば、ガソリン車から電気自動車が主流になることが明確化している中で、日産での電気自動車は有名ですがトヨタではどんな電気自動車が販売されているのでしょうか。
この記事では、トヨタの電気自動車に現状と今後についてまとめていきます。
トヨタは現時点でBEV(電気自動車)の車種はなし
トヨタは2020年現在では、実はBEV(電気自動車)の販売はされていません。
電気自動車でいえば日産「リーフ」が有名ですが、これまで数多くのハイブリッド車を先駆けて販売してきたトヨタでも、電気自動車で言えば実績がないのが現状で、日産の方が電気自動車に関しては先駆けて行っています。
ただ、「COMS(コムス)」という超小型EVの販売は2012年から2020年現在も行なっておりますが、コムスは1人乗りのEV車でミニカーとして利用するためBEVとは異なります。
2020年現在では、トヨタは電気自動車よりもハイブリッド車やプラグインハイブリッド車(PHV)に力を入れており、トヨタの人気車で電気自動車が中心になるのはまだ先になるかもしれません。
しかし、トヨタも電気自動車の販売を2020年以降、随時行っていくことを既に発表していますので、数年後には人気車種が大きく変動していると予想することもできます。
トヨタの主力はハイブリッドでおすすめ度も高い
電気自動車を販売していないトヨタですが、2020年に公表された前期分の売上高としては、30兆円と国内でダントツの1位となっており、2位のホンダでも15兆円、電気自動車を販売している日産は11兆円と歴然の差があることが分かります。
トヨタの売上を支えているとも言えるのが、「プリウス」や最近販売された「ヤリス」と言ったハイブリッド車です。
将来的なニーズとして電気自動車は絶対に不可欠であるものの、電気自動車の性能と価格に消費者とのニーズがマッチしていないのが現状で、今の時代にマッチしているからこそ主力のハイブリッド車が売上に繋がっていると言えるでしょう。
将来的に言えば電気自動車が主流になる時代は間違いなく到来しますが、技術はあっても購入する金額が高額であったり性能に問題があれば消費者からは選ばれません。
トヨタは「トヨタ環境チャレンジ2050」で発表したようにCO2の90%削減を目指しています。
現状から見るとハイブリッド車からプラグインハイブリッド(PHV)車へ、そして電気自動車へと段階を踏んで技術と価格を消費者のニーズに合わせていくことが狙いと言えるかもしれません。
充電を伴う車両はプラグインハイブリッド(PHV)と燃料電池車
トヨタの主力車種は何と言っても「プリウス」が人気ですが、プリウスよりもさらに燃費にこだわった「プリウスPHV」のようにこれからはプラグインハイブリッドと燃料電池車が主力となることが想定されます。
プラグインハイブリッドは、自宅や充電スタンドにより充電することでEVとしての機能を持ちながら、充電が切れればガソリンでも走ることができる車です。
一方、燃料電池車は水素と酸素の化学反応から電力を生み出し走行する車となっています。
現状としては、トヨタは燃料電池車では「MIRAI(ミライ)」がありますが、7,409,600円(税込)と高額なことと水素の供給設備が整っていないこともあり、主力となるのはもう少し後になりそうです。※2020年現在は生産中止。
プラグインハイブリッドでは、自宅での充電までできるほか、徐々に公共のスペースでも設備が整ってきていることと価格帯や航続距離などの性能が上がっていることから利用者は増えてきています。
トヨタの代表するプラグインハイブリッドについて紹介していきましょう。
プリウス PHV
プラグインハイブリッド車を代表するのがプリウスPHVです。
燃費の良さで格段の人気を得たプリウスに、プラグインハイブリッドの機能が搭載されたプリウスPHVですが、簡単に内容をまとめると以下のようになります。
価格 | Aプレミアム”ナビパッケージ” | 4,392,000円 |
---|---|---|
Aプレミアム | 3,933,000円 | |
A”ナビパッケージ” | 4,047,000円 | |
A | 3,615,000円 | |
S”ナビパッケージ” | 3,805,000円 | |
S”セーフティパッケージ” | 3,394,000円 | |
S | 3,313,000円 | |
S”ナビパッケージ・GR SPORT” | 4,258,000円 | |
S”GR SPORT” | 3,772,000円 | |
サイズ | 全長 | 4645mm |
全幅 | 1,760mm | |
全高 | 1,470mm | |
航続距離 | WLTCモード | 30.3km |
EV走行距離 | 60.0km |
※は値段は全て税込価格
プリウスPHVは、2019年にモデルチェンジしてからEV走行距離が60.0kmと格段に性能がアップしているのが特徴です。
そのため普段の通勤や遠出しない限りは、EV走行だけで十分運転ができるためガソリンを使用する機会を減らすことを可能にしています。
また、充電が切れたとしてもプリウスの持つ燃費の良さで、EV走行とガソリン走行を合わせればかなりの距離を走れるのが特徴と言えます。
2020年も売れ行きは好調の為、代表するプラグインハイブリッド車になっています。
RAV4 PHV
2020年6月に販売されたばかりで今後の増産が期待される「RAV4(ラヴフォー)PHV」もトヨタを代表するプラグインハイブリッド車です。
内容を簡単にまとめると以下の通りです。
価格 | BLACK TONE |
5,390, 000円 |
---|---|---|
G”Z” | 4,990, 000円 |
|
G | 4,690, 000円 |
|
サイズ | 全長 | 4,600mm |
全幅 | 1,855mm | |
全高 | 1,690mm (BLACK TONEのみ 1,695mm) |
|
航続距離 | WLTC モード |
22.2km |
EV 走行距離 |
95km |
※価格はすべて税込。
RAV4 PHVの特徴はなんと言っても、プリウスPHVを遥かに超えたEV走行距離で、フル充電で95kmを実現しています。
旅行などでよほど遠出しない限りは、EV走行距離のみで運転が可能になるプラグインハイブリッド車と言えます。
また、2.5Lダイナミックフォースエンジンが搭載されているので、ハイブリッド走行にすれば燃費こそプリウスPHVに劣るものの、抜群の運動性能と走破力が持ち味の車なので、運転が好きな人こそおすすめできるPHVと言えるでしょう。
2020年以上は10モデル以上の電気自動車は順次発売予定で今後に注目
トヨタのこれからの展望としては、2020年以降電気自動車を10モデル以上販売していくことを発表しています。
今はコムスのミニカーのみで電気自動車(BEV)の販売がないトヨタも、順次発売していくことで販売の遅れを巻き返す構想です。
予定では6種のボディラインナップ(ミディアムセダン、ミディアムクロスオーバー、ラージSUV、ミディアムミニバン、ミディアムSUV、コンパクト)を開発予定となっています。
ハイブリッドで培った技術力が強み
EV普及において最も重要なことは電池性能ですが、トヨタはこれまでのハイブリッドで培った技術力により、世界トップレベルの耐久力を持つ電池を開発していると発表しています。
これまでトヨタは電気自動車の販売をしていませんが、それも確実な電池性能のある電気自動車の開発を進めていることが理由かもしれません。
今後トヨタの電気自動車に大きな期待が持てそうです。
小型EV「LQ」が間もなくリリース発表か
2019年の東京モーターショーで初公開された小型EV「LQ」がもう間もなくリリース発表されることが予想されます。
トヨタの小型EV車ということでより注目されていますが、何と言ってもこれまでにないようなインパクトのある見た目が特徴です。
LQについては小型というものの4人乗り小型電気自動車となっていて、販売されているコムスのような一人乗りではありません。
また、LQのコンセプトとしてレベル4の完全自動運転や、無人バレーパーキングシステム、「YUI」という名称のAIによるナビゲーションシステムなど、まさにデザイン・機能共に先進的な車になっています。
具体的な発表時期については未定ですが、2020年内にはリリース時期の発表が見込まれているためそれほど先のことではないでしょう。
レクサスの新しいコンパクトSUV「UX300e」も発売予定
国内の販売はいつになるのか未定ですが、欧州で2020年内に販売されるのがレクサスのコンパクトSUV「UX300e」です。
レクサスでは初となるEV車で、大容量のリチウムイオンバッテリーが搭載されており蓄積容量は54.3kWh、1回の充電で最長400kmの走行が可能な電気自動車となっています。
日産が販売している「リーフ」でも蓄積容量は40kWhなので、比較しても大容量なのが分かります。
イギリス市場では43,900ポンド(約610万円)で販売される予定で2021年末までに3種類のEVを販売することを予定しています。
2020年現在では、コムスの超小型EVのみの販売ですが、今後レクサスも含めて、トヨタの電気自動車は続々と販売がされる見込みなので、日産だけでなくトヨタの電気自動車が車市場の人気車種に変わる日も遠くないかもしれません。