近年若い方を中心に人気のマイカーリース。コスモ石油やトヨタといった大きな企業はテレビCMも放映し、徐々に認知も広がっています。
そんなマイカーリースを利用すると、実際どのくらいの値段で、どの程度の車種に乗れるかは気になるところ。マイカーリースの仕組みや流れから、実際にリースできる人気車種を値段別にご紹介します。
マイカーリースの仕組み
マイカーリースとは、期間を決めて自動車をリースするというもの。新車を中心に扱っている業者もあれば、中古車を安い値段でリースする業者や、外車を扱っている業者もあります。
ますは、簡単にマイカーリースの仕組みをご紹介しましょう。
期間を決めてクルマをリースする
マイカーリースは期間を決めて車をリースするものです。リース期間はマイカーリース会社により定められていますが、3年・5年・7年間の3パターンが一般的です。
同じ車種でもリースする期間によって毎月支払う定額料金の値段は変わってきます。その理由が下取り価格の想定です。
下取りの値段を考慮するので安い
マイカーリースは、リース期間が満了すると車を車を返却します。そのため最初にリース契約をする際、返却された時の下取りの値段を想定し、その値段分差し引いた金額をもとに月額のリース料金が決定されます。
一例を挙げてシミュレーションしてみましょう。新車価格300万円の車をリースするとします。この300万円の車を3年間使用して下取りに出すと180万円、5年間使用して下取りに出すと100万円、7年間使用して下取りに出すと80万円の値段がつくと想定されたとします。
この場合、3年リーズの場合は車両価格120万円、5年リースで200万円、7年リースでは220万円でリース料金を設定することになるわけです。
これが同じ車種でも、リース期間によって毎月の定額料金が変動する主な理由です。ちなみに下取り価格はマイカーリース会社が独自に算出しますが、中古車市場などの相場を加味した上で想定されます。
月々の定額料金には様々な費用も
毎月支払っていく定額料金は、車両価格だけで値段が決まるわけではありません。その他にも様々な諸経費を算出し、それらを合算した値段が定額料金になります。
同じ車種を同じ期間リースする場合でも値段に差が出る場合、車両価格以外の費用やサービスに差がある場合があります。しっかりとどのような費用が含まれているのかを確認しておきましょう。
マイカーリースの流れ
では、基本的なマイカーリースの流れを解説しておきましょう。契約までの手間や手順は比較的簡単になっています。
車種と期間を決めて申し込み
マイカーリースを考えている方は、まずリースしたい車種を決めましょう。最初に車種を決めるのは、複数のマイカーリース会社の値段やサービスを比較検討するためです。
車種やカラーを決めたら、いくつかのマイカーリース会社でその車種のリース料の値段をチェック。マイカーリース会社の選定は、自身の自宅付近に営業所や販売店がある会社がおすすめです。理由は納車やメンテナンスで、その営業所や販売店を利用するケースが多いからです。
車種、マイカーリース会社、リースする期間を決めたらさっそく申し込みに進みましょう。
審査に通過したら契約
多くのマイカーリース会社は、ネット上から申し込みが可能となっています。申し込みは必要事項を記入し送信するだけの場合がほとんど。家にいながら簡単に申し込めます。
申し込み完了後、マイカーリース会社でリースに関する審査を行い、その結果はメールや電話で知らされます。概ね3~5日で審査完了するケースが多いようです。
審査に通過したら、契約が行われます。書面で行う場合は書面が送付されますので、記入後返送しましょう。ネット上で契約を完結する業者も多く、その場合はネット上で必要事項を確認し書き込めばOKです。
必要書類を準備して納車
契約が締結すると、マイカーリース会社は納車の準備に入ります。同時に納車に必要な書類を用意する旨の連絡が申込者の元に届きます。
申込者は納車に必要な書類(車庫証明書や本人確認書類、委任状など)を準備し返送。マイカーリース会社はこの書類を使用して自動車の登録を済ませ、後は申込者の希望日に納車という流れになります。
定額料金に含まれる費用
マイカーリースの大きな特徴して、月々定額料金を支払うことで自動車を所有できるという点があります。この定額料金の中にはどのような費用が含まれているのでしょうか?
もちろんマイカーリース会社ごとにどのような費用が含まれているかは違いますので、実際にリースを検討している場合は、どの会社にどの料金が含まれているかはきちんと確認しましょう。
車両代金
月々の定額料金の基本になっているのは、もちろんリースする車の値段。これはどのマイカーリース会社でも同じです。車両価格は下取り想定金額を差し引いた値段で設定され、短期リースの方が高く、長期リースの方が安いということになります。
また、当然ですが同じ車種なら新車の方が中古車よりも高額になります。
各種税金
自動車を所有するにあたって必要な税金は、以下の種類があります。
- 自動車税
- 重量税
かつて「自動車取得税」という税金も存在し、50万円以上の自動車購入時には納税が必要でしたが、2019年10月1日に廃止されています。現在は「環境性能割」という名称になり、自動車税の中に含まれています。
自動車税は毎年4月に、重量税は車検のタイミングで納付する税金になります。
メンテナンス費用
メンテナンス費用は、定期点検、オイル交換、車検、タイヤ交換など様々なメンテナンスに関する費用となります。
どこまでメンテナンス費用が賄っているかは、マイカーリース会社によって差がありますので、見積もりを出したときに、メンテナンスの内容と値段を確認しておくことが重要です。
また、マイカーリース会社の中には、車検代とメンテナンス費用を別にしている会社もありますのでご注意ください。
各種保険
自動車を保有している場合加入する保険は2種類です。
- 自賠責保険(加入必須)
- 任意保険(加入は任意)
任意保険は任意ではありますが、車を持つ以上入っておくべき保険といえるでしょう。多くのマイカーリース会社は、月々の定額料金に自賠責保険が含まれています。任意保険に関しては含まれていないことが多いので、その場合はご自身で別途加入する必要があります。
値段別の利用例
では、実際にどのくらいの値段で、どのくらいの車種をリースできるのかを確認しておきましょう。今回は値段別でいくつかの利用例を掲載していきます。
ここで掲載している値段は、2020年6月20日現在の値段であり、のちに変動する可能性がありますのでご了承ください。
また、すべて各マイカーリース会社のHPにて公開している値段を参照しています。
20,000円以内でリースできる車種
月々の定額料金が20,000円以内ですと、新車の軽自動車や中古車が中心になります。ボーナス併用払いのプランは、毎月定額で計算した場合の値段も併記しておきます。
ダイハツ ミライース
- マイカーリース会社 「ロートピア」
- 契約年数 7年
- 新車
- 月々の支払い 月々 8,800円 ボーナス月 47,300円(年2回)
- 月々定額で計算した場合 月々 15,217円
「ロートピア」というマイカーリース会社のプランです。ボーナス払いを利用すれば月々の支払いは1万円を切る値段設定になっています。
定額料金に含まれるのは、自動車税(7年分)、車検代(2回分)、重量税(2回分)、自賠責保険(2回分)、オイル交換(14回分)、オイルメント(6回分)です。
この費用のほかに任意保険料金が必要になります。
ホンダ フィット ハイブリッド
- マイリース会社 「オリックスカーリース」
- 契約年数 5年
- 中古車 2014年式/走行距離70,000km
- 月々の支払い 16,500円
中古車であればコンパクトカーでも月々2万円を切るクルマも多くなっています。こちらのプランには、自動車税、重量税、自賠責保険は含まれていますが、車検代、任意保険料は含まれていません。
マイカーリースで中古車を選ぶ場合は、色や装備の指定ができません。その分値段は格安となりますので、狙っている車種が格安の値段で出ていたら、あまり迷っている時間はありませんのでご注意ください。
30,000円以内でリースできる車種
月々の支払いを2万円台で考えると、かなり幅広い車種を選択することができます。また、軽自動車の新車に、充実のサービスプランを加える選択肢もあります。
スズキ ワゴンR HYBRID FX
- マイカーリース会社 「ロートピア」
- 契約年数 7年
- 新車
- 月々の支払い 月々 16,500円 ボーナス月 53,900円(年2回)
- 月々定額で計算した場合 月々 22,734円
ミライースでもご紹介したロートピアですが、先ほどのプランは基本プラン。
こちらは充実プランとなっており、定額料金には先ほどの費用に加え、法定点検(4回分)、安全点検(7回分)、ブレーキオイル(2回分)、ワイパーゴム(6回分)、エアコンフィルター(2回分)、LLC交換(1回分)、タイヤ交換(4本×2回分)、バッテリー交換(2回分)、ブレーキパッド(1回分)、ベルト類(1回分)が含まれています。
値段の違いでこれだけサービスが変わるケースもありますので、単純に値段だけを見て決めるのではなく、サービス内容なども加味して決めるようにしましょう。
スバル インプレッサ G4
- マイカーリース会社 「カルモ」
- 契約年数 7年
- 中古車 2015年式/走行距離29,000km
- 月々の料金 21,900円
中古車でしかも契約年数を長くすれば人気のSUV車も月々2万円台でみつかります。こちらの契約には各種税金と法定整備、自賠責保険、さらに1年間の自社保証がついています。
リース期間中の車検代や任意保険料は別途必要となりますので、それらも考慮に入れて適正な値段かどうか判断しましょう。
40,000円以内でリースできる車種
個人で契約するマイカーリースの中で、もっとも平均的な価格帯と考えられるのがこの3万円代でしょう。この値段になると車種選択の幅は一気に広がり、様々なタイプを選ぶことができます。
トヨタ カローラフィールダー
- マイカーリース会社 「ニコニコマイカーリース」
- 契約年数 5年
- 新車
- 月々均等払い 月々 33,660円
こちらの料金パックには、各種税金および車検代などが含まれています。ファミリーサイズでも十分に活躍できる車種、しかも新車をこの値段で乗れるのがマイカーリースの大きなメリットです。
トヨタ クラウンハイブリッドロイヤル
- マイカーリース会社 「オリックスカーリース」
- 契約年数 6年
- 中古車 2015年式/走行距離31,000km
- 月々の料金 39,600円
この値段で中古車を選ぶ場合、国産高級セダン、しかもハイブリッドモデルもターゲットに入ります。
50,000円以上でリースできる車種
最後に価格にこだわらず考えればということで、高級車をいくつかご紹介しておきましょう。
日産 スカイライン GT Type P
- マイカーリース会社 「日産マイリース」
- 契約年数 5年
- 新車
- 月々均等払い 月々 52,838円
世界的にも人気のスポーツカーもマイカーリースが可能です。値段はやはり高額になりますが、値段に見合ったステータスも手にできるはずです。
レクサス LS500h “EXECTIVE” 4WD
- マイカーリース会社 「KINTO」
- 契約年数 3年
- 新車
- 月々均等払い 月々 341,880円
KINTOはトヨタが運営するマイカリース会社です。国産最高級ブランドのひとつでもあるレクサスもマイカーリースは可能ですが、その値段はさすがの一言です。
マイカーリースは得か損か?
ここまでマイカーリースに関して、値段を中心に見てきましたが、結論としてマイカーリースは得なのでしょうか? 損なのでしょうか? いろいろな側面からメリットやデメリットとなる部分を確認しておきましょう。
初期費用0でも新車に乗れる
費用の面で考えれば、初期費用0円でも新車のオーナーになれるというメリットがあります。もちろん頭金なしのマイカーローンを組めば、普通に購入するにしても初期費用0円で購入できますが、マイカーリースの場合、それよりもグレードの高い車種でも乗ることができるのがポイントです。
気になる新車種に気軽に乗れる
メーカーから発売された新しい車種に興味がある場合、「ちょっと気になるから」程度ではさすがに購入するのは難しい部分があります。しかしマイカーリースを利用して、短期のリース期間を設定すれば、購入するよりかなり安い値段で乗ることができます。
また、期間後の買い取りができるプランであれば、そのクルマを気に入った場合、そのまま買い取りということも可能です。
日常のメンテナンスも安心
メンテナンス料金も定額料金に含まれているパックであれば、日常のメンテナンスも安心。メンテナンスのタイミングでマイカーリース会社から連絡が来るケースも多く、日常から安心して車に乗ることができます。
返却を意識して使わなければいけない
デメリットといえる部分では、期間満了後返却することを考えた場合、車をキレイに使わなければいけないということがあります。マイカーリースは車を借りている状態ですから、返却にあたっては原状回復をする必要があります。
特に喫煙者の方は注意が必要。車内にタバコのにおいやヤニ汚れが残っていると、それをクリーニングする必要があり、返却の際別途費用を請求されることがあります。
改造や装飾はできない
原状回復が求められるということは、改造や装飾などもできないことになります。車を自分なりにカスタマイズしたいという方は、やはり購入するのがおすすめになります。
まとめ
マイカーリースは車を購入するよりも費用を抑えながら、車のオーナーになれる仕組みです。すでに1台車を持っていて、セカンドカーを考えている方、免許取り立てで、車の購入資金までは用意できていない方などにおすすめのシステムとなっています。
マイカーリースの契約をする場合は、まずいろいろな値段に注目です。月々の支払い金額やボーナス払いの有無などを確認しましょう。
値段を確認する際に注意したいのは、その値段に何が含まれているかということ。同じ値段でもサービス内容が違うことは多々ありますので、単に表示されている値段に惑わされずに、その値段が持つ意味を考えながら契約するようにしてください。