月々の定額料金で新車を借りられるマイカーリースは、車両価格だけでなくクルマを持つための維持費も月額料金にまとめられます。
頭金なしが基本であり、自分の希望に合わせた契約期間やメンテナンスプランを設定できる自由度の高いサービスです。
料金の分割払いはローン契約も同じですが、マイカーローンには金利がかかるため、頭金やボーナス払いを設定して月々の料金を安くするのが一般的です。
マイカーリースにもローン契約のように、月額料金に金利がかけられているのでしょうか。
この記事では、マイカーリースにも金利がかかっているのかお伝えするとともに、混同されがちなマイカーローンとの違いについてわかりやすく解説していきます。
マイカーリースにも金利はかかっている
マイカーリースとは、あらかじめ設定した契約期間内で定額の月額料金を支払いながら新車を借りられるサービスです。
リース料金は契約期間で分割するため、月々の支払いはフラットになります。
分割払いという点ではマイカーローンと同じであり、マイカーリースにも月々の料金に金利がかかっています。
マイカーリースの金利はどのような仕組みになっているのでしょうか。
そもそも金利とは
自動車ローンや住宅ローンを利用する場合、借りた金額には利息がかけられています。
金利とはローンで借りた金額に対する利息の割合のことで、「利率」とほぼ同じ意味で使われます。
たとえば、自動車ローンで100万円を借りて年間の利息が24,000円の場合、年利は2.4%になります。
利息は元金に対してかけられているため、支払いが進んで元金が減ると利息も少なくなります。
金利が高いローンでは、毎月の返済額も総返済額も高額になります。
金利の差は借りる金額が高くなればなるほど生じ、住宅ローンなど高額を借りるローンでは、1%の違いで総返済額が数百万円変わることも珍しくありません。
金利には「固定金利」と「変動金利」がある
金利には、大きく「固定金利」と「変動金利」の2種類があります。
固定金利の場合、返済期間中は金利が変わらず常に一定です。
世の中の情勢に左右されず、毎月の返済額が明確なため、家計管理がしやすいメリットがあります。
ただし、固定金利の金利は変動金利よりも高めに設定されています。
日本では低金利が続いているため、今後もそのまま推移すれば変動金利よりも返済額が高くなるでしょう。
一方、変動金利は市場によって利率が変わり、定期的(半年ごとが一般的)に金利が見直されます。
変動金利の金利は固定金利よりも安く設定されるのが一般的ですが、金利が上がると月々の返済額や総返済額は高くなります。将来的に金利が上昇した場合、月々の返済が難しくなるかもしれません。
マイカーリースにかけられている金利
マイカーリースの月額料金には、車両価格、自動車税や重量税などの各種税金、自賠責保険料、登録諸費用などが含まれています。
プランによっては、車検やメンテナンス費用がはじめから月額料金に組み込まれていることもあり、必要な維持費を一元化して契約期間で分割するのがマイカーリースの特徴です。
マイカーリースでは、月額料金に含まれる部分すべてに金利が影響します。
- 車両本体価格から残存価格(契約満了時の車両に予想される査定価格)を差し引いた金額
- 環境性能割
- 自動車税
- 自動車重量税
- 自賠責保険料
- リサイクル料金
- 登録諸費用
- 車検・メンテナンス費用(プランによる)
上記はマイカーリースの月額料金に含まれる主な費用です。
マイカーローンの場合、支払いの対象となる車両本体価格や登録諸費用のみに金利がかけられます。
一方、マイカーリースではリース料金に組み込まれるさまざまな維持費に金利がかけられるため、金利の影響は広範囲におよびます。
マイカーリースとマイカーローンは何が違うの?
マイカーリースもローン契約と同様に、支払い額には金利がかけられています。
共通点が多いマイカーリースとマイカーローンには具体的にどのような違いあるのか、それぞれの特徴や違いをご紹介します。
マイカーリースの特徴
マイカーリースは一括購入やローン契約と同様に、新車や中古車など自分が希望するクルマを所有できるサービスです。
マイカーリース会社が契約者の代わりにクルマを購入し、契約者は月々定額料金を支払ってマイカーリース会社からクルマを借ります。
そのため、自賠責保険などに記載されるリース車両の「使用者」は契約者自身ですが、「所有者」はマイカーリース会社になります。
「クルマを借りる」サービスにはレンタカーやカーシェアリングもありますが、マイカーリースはあらかじめ設定した契約期間中は自由にクルマを使用できます。
希望ナンバーも選べるため、レンタカーのような「わ」ナンバーにはなりません。一括購入やローン契約でマイカーを購入するのと同じような使い方ができる、「新しいクルマの持ち方」として注目されています。
マイカーローンの特徴
マイカーローンでは、銀行やディーラーが提供するローンを利用し、新車の購入費用を借り入れます。
借入できる金額は、契約者の年収や継続年数などによって変わります。
マイカーリースと同様に、自賠責保険などに記載されるリース車両の「使用者」は契約者自身になりますが、「所有者」は返済が終わるまでは借入先になるケースがほとんどです。
マイカーリースは基本的に頭金がかからないのに対し、マイカーローンでは頭金を設定するのが一般的です。
頭金がなくてもローンを組むことはできますが、頭金あり・なしの費用を比較すると、月々の返済額や利息額、総支払い額は大きく変わってきます。
費用負担を軽くするために、マイカーローンでは頭金やボーナス払いを設定するケースが多いようです。
マイカーリースとマイカーローンの違い
マイカーリースとマイカーローンの違いを一覧にまとめました。
項目 | マイカー リース |
マイカー ローン |
---|---|---|
車両の 所有者 |
マイカー リース会社 |
返済が 終わるまでは 借入先の 会社になる ケースが多い |
車両の 使用者 |
契約者 | 購入者 |
車両 価格 |
車両価格から 残存価格を 差し引いた額 |
全額 |
初期 費用 |
なし (月額料金に 含まれる) |
税金、 自賠責保険料、 登録諸費用など |
頭金 | なし (設定する ことも 可能) |
必要な場合が 多い |
車検・ メンテ ナンス |
月額料金に 組み込める |
別途 契約者自身で 手続きが 必要 |
支払先 | マイカー リース会社 |
借入先の 銀行や 信販会社 |
納税や 保険料の 払込 手続き |
マイカー リース会社が 代行 |
契約者自身で 手続きする |
契約 満了後の 選択肢 |
返却、 買取、 再リース、 乗り換え |
所有 |
マイカーリースとマイカーローンの金利を比較
マイカーリースとマイカーローンにはどちらも金利がかかっています。
それぞれの金利にはどのような特徴があるのでしょうか。
マイカーリースは金利が公表されていない
マイカーリースの場合、車両本体価格や初期費用だけでなく、リース期間中に発生する税金や自賠責保険料にも金利がかかっています。
月額料金に車検やメンテナンスを組み込む場合は、これらの費用にも金利がかけられます。
マイカーリースは金利が公表されておらず、平均的にどのくらいの金利がかけられているのか断定できません。
マイカーリースの金利は広範囲に影響するため、金利面においてデメリットが大きいと感じる方もいるでしょう。
しかし、マイカーリースはクルマを所有するための必要経費が月額料金に組み込まれ、税金や自賠責保険などの支払い手続きはマイカーリース会社が代行します。
契約者自身で支払う必要がなく、手続きの手間がかかりません。車両価格も残存価格が差し引かれた金額が設定されるため、金利がかかっていても損になるとはいえないのです。
マイカーローンの金利は借入先によって異なる
マイカーローンの借入先には、主に銀行が提供するカーローンとディーラーが提供する信販会社のカーローンがあります。
金利や上限額は借入先によって異なるため、できるだけ多くの見積りをとって比較するのがおすすめです。
銀行系のカーローン
メガバンクや地方銀行、信用金庫などが提供する銀行系のカーローンでは、年2.0〜4.0%程度の金利が相場です。
他の借入先と比較すると低めの金利が設定されているため、月々の返済額や総支払い額を抑えることにつながります。
ディーラーのカーローン
ディーラーが信販会社を通じて提供するカーローンでは、年5.0%〜10.0%程度の金利が相場です。
車種によっては、年1.0%程度の低金利が設定されていることもあります。銀行系と比較すると、ローン審査が通りやすいといわれています。
残価設定型クレジット
ディーラーのカーローンでは残価設定型クレジットを利用できる場合があり、金利の相場は4.0%〜6.0%程度です。
残価を設定するのはマイカーリースと同じで、返済期間が終わったら自動車を返却もしくは残価を一括で支払って買い取りします。
マイカーリースとマイカーローンはどっちがお得?
金利が明確なマイカーローンに対し、マイカーリースでは金利が公表されていません。
どちらがお得になるか一概にはいえませんが、マイカーリースでは新車価格から残存価格が差し引かれるため、車両価格を全額支払うマイカーローンより残価分の費用を抑えられます。
また、マイカーローンでは残価設定型クレジット以外を利用した場合、返済期間が終わったらクルマを所有することになります。
一方、マイカーリースでは車両の返却や買取、再リース、乗り換えなどから希望のプランを選択できます。
クルマを所有すると維持費がかかるため、一定期間後はクルマを利用する予定がない方は、マイカーリースを利用した方がお得になるでしょう。
月々のリース料金をさらにお得にするには?
ローン契約と同様に、マイカーリースにも金利がかけられています。
マイカーリースの料金をさらにお得にするには、どのような方法があるのでしょうか。
契約期間が長いほど月々の料金が安くなる
マイカーリースの料金は、契約期間が長ければ長いほど安くなるのが一般的です。
中には1年未満の短期契約ができるマイカーリースもありますが、少しでもお得に利用したい方はできるだけ長期のプランを選んだ方がよいでしょう。
ただし、マイカーリースの契約期間は途中で変更できず、中途解約には高額な違約金がかかります。
長期契約になると解約リスクが大きくなるため、マイカーリースの契約期間は慎重に検討する必要があります。
メンテナンスプランを選べるマイカーリースがおすすめ
マイカーリースでは、月額料金に組み込んだ車検やメンテナンス費用にも金利がかかります。
維持費にかかる金利が気になる場合は、メンテナンスを月額料金に含まず、契約者自身で実施することも可能です。
メンテナンスプランの内容はマイカーリース会社によって異なり、車検・法定点検からタイヤやバッテリー交換まで含むプランもあれば、税金や自賠責保険料のみのシンプルなプランもあります。
メンテナンスプランが複数あり、その中から契約者が希望のプランを選べるマイカーリースがおすすめです。
正規ディーラーよりも街中のマイカーリース会社の方がお得
マイカーリースは、正規ディーラーや街中のマイカーリース会社で提供されているサービスです。
一般的に、正規ディーラーよりも街中のマイカーリース会社の方がお得な料金設定となっているため、ディーラーでの契約にこだわりがなければ街中のマイカーリース会社がおすすめです。
正規ディーラーは限られたメーカーのクルマしかリースできませんが、街中のマイカーリース会社は国産全メーカー・全車種を取り扱う会社がほとんどです。
メンテナンスプランも充実しているため、選択肢が多く自由度が高いマイカーリースといえます。
【まとめ】新車をお得に利用するなら街中のリース会社がおすすめ!
マイカーリースの利用料金には、ローン契約と同様に金利がかけられています。
ただし、利率が明確なマイカーローンに対し、マイカーリースは利率が公表されていないのが一般的です。
また、マイカーローンは車両本体価格に金利がかけられますが、マイカーリースでは月額料金に組み込まれた維持費にも金利がかかります。
税金や自賠責保険料、車検・メンテナンス費用など、広い範囲で金利がかかるため、マイカーリースを利用すると損になるのではないかと考える方もいるでしょう。
しかし、マイカーリースでは税金や自賠責保険料の支払い手続きはすべてマイカーリース会社にまかせられ、車検やメンテナンスを自分で契約する手間もかかりません。
街中のマイカーリース会社ならディーラーよりもお得な料金で利用できるため、月々のリース料金を抑えたい方は街中のマイカーリース会社で契約することをおすすめします。