月々定額で希望のクルマを借りられるマイカーリースは、ある程度長期的な契約が想定されたサービスです。
3〜7年程度の契約期間が一般的ですが、中には1年程度の短期契約に対応できるマイカーリース会社もあります。
1年間だけ自動車が必要になった場合は、新車や中古車の購入だけでなく、短期カーリースの検討もおすすめします。
この記事では、自動車を1年だけ利用したい場合の選択肢をお伝えするとともに、短期カーリースを利用するメリット・デメリット、1年程度の短期契約に対応可能なマイカーリース会社をご紹介します。
短期間だけ自動車を所有したい方に役立つ内容となっていますので、ぜひ参考になさってください。
自動車を1年だけ利用したい場合はどうする?
長期出張や地方への転勤といったさまざまな事情により、半年、1年など限られた期間だけ自動車が必要になることがあるかもしれません。一定期間だけクルマを利用したい場合はどうすればよいのでしょうか。
自動車を用意するには、新車か中古車を購入する、マイカーリースを利用する方法が考えられます。
数日〜1ヶ月程度であればレンタカーやカーシェアリングといった方法もありますが、これらはスポット的な使い方が想定されたサービスなため、1年程度自動車を利用したい場合には向かないでしょう。
ここでは、1年間の限られた期間だけ自動車を利用したい場合の選択肢をご紹介します。
1. 新車を購入し1年後に手放す
まず考えられるのが、新車を購入して1年間だけ利用し、その後売却するという方法です。
クルマの状態や売却の時期にもよりますが、新車の価値は1年で20〜30%程度下がるといわれています。
車両価格が200万円の新車なら、1年後には140〜160万円程度の価値になるということです。
また、新車を購入する際には初期費用がかかります。
- 環境性能割
- 自動車税または軽自動車税
- 自賠責保険料
- リサイクル料
- 登録費用
- 各種代行手数料
上記は新車購入時にかかる初期費用の一例です。
初期費用は新車費用の10%程度といわれています。わずか1年で自動車を手放すとなると、購入時にかかった初期費用がもったいなく感じるかもしれません。
2. 中古車を購入し1年後に手放す
中古車を購入して1年間だけ利用し、その後売却するという方法もあります。新車購入時と同じく初期費用が発生しますが、車両価格の費用負担は抑えることができます。
ただし、高年式車両やコンディションの良好な車両は、中古車であってもさほど安いとはいえません。
そのうえ時間が経過すると車両価値はどんどん落ちていくため、1年後の売却時には想定していたほどの値が付かないことも考えられます。
かといって年式の古い中古車を購入すると、車両を維持するためのメンテナンス費用が高額になる可能性があります。
1年程度の限られた期間とはいえ、故障や不備のあるクルマに乗り続けることはできません。中古車を購入する場合は、高額なメンテナンス費用が発生するリスクがあることを覚えておいた方がよいでしょう。
3. 1年間だけマイカーリースを利用する
マイカーリースを利用すれば、新車や中古車を購入しなくてもクルマを手に入れることができます。契約期間が終わればマイカーリース会社に車両を返却するため、新車・中古車購入のように売却を考える必要はありません。
新車購入とマイカーリースの違いを比較
項目 |
新車購入
|
マイカーリース
|
---|---|---|
頭金 | 不要 | 原則として不要 (設定すること も可能) |
車両 価格 |
全額 | 残存価格を 差し引いた額 (契約期間で 分割払い) |
税金 | 環境性能割、 自動車重量税、 自動車税の 支払いが必要 |
不要 (月額料金に 組み込まれる) |
自賠責 保険料 |
必要 | 不要 (月額料金に 組み込まれる) |
リサイクル 料金 |
購入者が 負担 |
マイカーリース 会社が負担 |
代行料・ 手数料等 |
登録代行料、 車庫証明代行料、 印紙料、 納車費用、 ナンバープレート 取得費用などの 支払いが必要 |
不要 (月額料金に 組み込まれる) |
車検・ メンテナンス 費用 |
その都度必要 | 月額料金に 組み込める |
このように、マイカーリースではクルマの購入や維持にかかる費用は月額料金に含まれています。
マイカーリース会社によっては、車検やメンテナンス費用、任意保険料なども月額料金に組み込めるため、クルマにかかる費用を一元化できます。
ただし、マイカーリースは長期利用が多く、契約期間は3〜7年程度が一般的です。1年程度の短期契約に対応するマイカーリース会社は少ないため、会社選びの選択肢が狭まってしまいます。
短期カーリースのメリット・デメリット
1年だけ自動車が必要になった場合は、1年契約に対応できる短期カーリースの利用がおすすめです。
短期契約のマイカーリースでは中古車の取り扱いが多いため、新車が中心の長期カーリースよりも割安で利用できる場合があります。
ここでは、短期契約でマイカーリースを利用するメリット・デメリットをご紹介します。
短期カーリースのメリット
短期カーリースには、1年や2年の年単位だけでなく、月単位で契約できるマイカーリースもあります。借りられるクルマは中古車が中心ですが、1日あたり500円程度と格安で利用できます。
マイカーリースでは、原則として契約途中での解約は受け付けてもらえません。月々のリース料金はあらかじめ設定した契約期間や車両の残存価格(リース契約満了時の予想査定価格)から算出しているため、リース期間中の中途解約は想定されていないのです。
しかし、1年程度の短期カーリースなら、契約途中の解約リスクを減らすことができます。契約満了後もクルマに乗り続けたい場合は、契約延長や乗り換え、買い取りなどにも対応してもらえます。
また、短期契約でもレンタカーのような「わ」ナンバーにはなりません。見た目ではマイカーリースのクルマか判断できないため、法人や個人事業主も問題なく利用できるでしょう。
短期カーリースのデメリット
短期契約のマイカーリースは、最短でも1ヶ月からの貸し出しが基本です。1日単位や1週間単位で利用したい場合は、レンタカーやカーシェアリングを検討することになるでしょう。
また、1年程度の短期契約とはいえ、マイカーリースを利用するなら車庫証明の取得や与信審査が必要です。
その点は長期契約のマイカーリースと変わりなく、短期カーリースであってもクルマの所有にともなうさまざまな手続きを行う必要があります。
短期契約のマイカーリースを検討する人はすぐにでも自動車が必要な場合が多いですが、実際に自動車が納車されリース契約がスタートするまではある程度時間がかかります。
場合によっては、納車されるまでの間にレンタカーやカーシェアリングなどを利用することになるかもしれません。
1年程度の短期利用が可能なマイカーリース会社を紹介
マイカーリースは長期契約が基本ですが、1年程度の短期利用に対応可能なリース会社もあります。ここでは、短期契約に対応しているマイカーリース会社をご紹介します。
ワンコインリース
イタコ自販が展開する「ワンコインリース」では、1日あたり500円程度の格安料金でマイカーリースを利用できます。
契約期間は最短1ヶ月からで、リース車両が気に入った場合はそのまま買取可能です。さらに、契約途中でクルマが故障した場合、修理費用が高額になるなら中途解約に対応してもらえます。
ワンコインリースの基本情報
契約 期間 |
最短1ヶ月から |
---|---|
リース 車両 |
中古車 |
初期 費用 |
38,000円 (初回名義変更費用) |
リース 料金 |
1ヶ月あたり 15,000円~ |
各種税金・ 自賠責保険料 |
リース料金に 含まれる |
車検 | 基本的には 車検の残っている期間を 貸し出し期間とする (車検満了時には 一旦リース契約を終了) |
ニコリース(ニコニコマイカーリース)
株式会社MICが展開する「ニコリース」では、軽自動車やコンパクトカー、ミニバンなどの豊富な在庫車を最短1ヶ月から利用できます。
クレジットカード月払いにすると契約期間の設定がなく、好きなタイミングでリース車両の返却が可能です。名義変更書類など手続きに必要な書類が揃っている場合は、最短5日程度で納車してもらえます。
ニコリースの基本情報
契約 期間 |
最短1ヶ月から (一括前納の場合は 最短2ヶ月から) |
---|---|
リース 車両 |
中古車 |
車両 準備費用 |
貸出料金の 1ヶ月分 |
リース 料金 |
1ヶ月あたり 27,000円~ |
各種税金・ 自賠責保険料 |
リース料金に 含まれる |
車検 | 貸し出しする車両は 車検取得済み (貸し出し期間中に 車検満了となった場合は 一旦返却が必要) |
定額カルモくん
実店舗を持たず申込みから契約までネットで完結する「定額カルモくん」は、1年から11年までの幅広い契約期間が特徴的なマイカーリースです。新車は最短1年から、中古車は最短3年から利用できます。
1年契約は新車しか選べないため、中古車リースかつ短期契約が前提の「ワンコインリース」や「ニコリース」と比べると、月々の料金は割高になります。
定額カルモくんの基本情報
契約 期間 |
最短1年から 11年まで(1年単位) |
---|---|
リース 車両 |
新車(※) |
初期 費用 |
なし (各種登録費用・ 代行費用等は リース料金に含まれる) |
リース 料金 |
車種・プランに よって異なる |
各種税金・ 自賠責保険料 |
リース料金に 含まれる |
車検 | 車検付きの メンテナンスプランを 月額料金に加算できる |
(※)中古車リースは最短3年から
長期カーリースがおすすめな理由
マイカーリースは短期契約よりも長期契約が想定されたサービスであり、月額料金には初期費用から基本的な維持費まで含まれてます。
さらに、メンテナンスやオプションプランも充実しており、月々のリース料金に組み込んでクルマの維持費をまとめることが可能です。
ここでは、長期契約のマイカーリースがおすすめな理由をご紹介します。
月々のリース料金が短期契約よりもお得
マイカーリースの料金は契約期間で分割して算出し、月々定額で設定するのが基本です。よって、長期契約のマイカーリースは、短期契約よりもお得な料金で利用できます。
契約期間によってリース料金には大きな差が生じます。1年後に自動車を手放すか曖昧な場合は、契約期間を長めに考えておいた方がよいかもしれません。
リース契約終了時にクルマを買い取れる
長期契約のマイカーリースに多いのが、契約期間満了後にリース車両をそのまま買い取るプランです。契約時に設定された残存価格を支払うことで、借りていたクルマを買い取れる場合があります。
マイカーリース会社や契約プランによって異なるものの、一般的にリース期間が終了すると「返却」「乗り換え」「契約延長」「買取」の4つから希望のプランを選択できます。
長期契約で乗り慣れた愛着のあるクルマであれば、買い取って乗り続けたいと考える方も多いのではないでしょうか。
高グレードの新車に手が届く可能性も
長期契約のマイカーリースなら、購入や短期契約では手が届かなかった高グレードの新車を借りられる可能性があります。マイカーリースの料金は、契約期間が長ければ長いほど安くなるのが一般的だからです。
マイカーリースでは、レンタカーのような「わ」ナンバーにはならず、購入した場合と同様のナンバープレートを取得できます。そのため、マイカーリースで借りている車両だと周囲に判断されることはありません。
高グレードのクルマを契約する場合や、法人や個人事業主がビジネスで利用する場合、「わ」ナンバーだと気になる方は多いでしょう。
マイカーリースなら新車購入と同じような感覚でクルマを使えるため、高級車やビジネスでも安心して利用できるでしょう。
【まとめ】マイカーリースは長期契約が人気!
自動車が1年だけ必要になった場合は、新車や中古車を購入して1年後に売却する方法、1年契約でマイカーリースを利用する方法があります。
ただし、自動車の価値は1年で20〜30%低下するといわれています。購入時にかかった初期費用の負担も考えると、わずか1年での売却はもったいないかもしれません。
1年程度の短期間だけ自動車を利用するなら、短期カーリースがおすすめです。中古車が多い短期カーリースは格安で利用できることが多く、契約期間が短いため中途解約のリスクが少ないメリットもあります。
しかし、マイカーリースはもともと長期利用が想定されており、3〜7年程度の契約期間が一般的です。
長く乗れば乗るほどお得になるマイカーリースは、長期的な利用を希望する人に向いています。
1年だけマイカーリースを利用すると割高になってしまうため、今後もクルマに乗り続ける可能性がある場合は、長期契約の検討をおすすめします。